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非公開の構造物をデジタル化して、例えばVRコンテンツとして紹介することは、新しい公開手法として、さらには研究材料として非常に有効です。
例えば装飾古墳*のデジタル化は次のような手順で行います。
(*装飾古墳:石室内部の壁面や石棺に彫刻・彩色・壁画で装飾を施した古墳や横穴墓)
古墳の構造・特徴、計測可能な時間などを考慮して、対象に与える負荷を出来る限り少なく、またエラーの少ないデータを取得できるよう、適切な計測方法・機器、タイムスケジュール等を決めます。
古墳全体の形状を効率よく計測するには、機械の全周囲を一度に測れる中~長距離用のレーザーレンジファインダーが適しています。レーザーの届かない部分は計測機の設置場所を移して計測します。壁面などの彫刻に対しては、より詳細に計測できる機械を用いる場合もあります。
表面の質感情報は高精細デジタルカメラで取得します。得られた画像データを形状データにマッピングすることにより、リアリティーを与えます。
色彩情報は、非接触の分光放射輝度計を用いて取得します。分光反射率を求めるために照明光の特性も計測します。
計測できるチャンスは限られているので、測り残しが無い様に、最初の処理は計測と並行して進めます。計測機を移動して測定した複数の形状データを繋ぎ合わせ、抜けを確認しながら計測を行います。
詳細な繋ぎ合わせやテクスチャ情報の貼り付け、色彩情報の反映はその後行います。